Ophelia 作品一覧

暗黒幻想文学プログレッシブバンド、Opheliaの現行作品は以下の通り。

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楽園 Field of joy

楽園 Field of joy

CDbabyでは全世界に向けて販売しております*1。CDbabyではダウンロード販売で1曲からの購入も可能であります。

*1:たまーにロシアとか、ブラジルとかの人に売れたりします。

アップル製品と私

MacBook Air 11インチ欲しい!
私がコンピューターを始めた小学生低学年のとき、みなの憧れのコンピューターはApple IIであり、その上で走るウィザードリィウルティマだった。それらのゲームはすでに国産パソコンでも動く時代だったにもかかわらず、剛の者はApple IIを購入してあの荒いグラフィックでゲームをやっていたのだ。私はというと家の屋根裏に転がっていたPC-8001や、Basicmaster level III、そしてお年玉で買ったMSX2をいじるのが関の山であった。

高校生になってコンピューターを触らなくなり、貧乏大学生になってからはコンピューターを買う金がもちろんなかったわけで、私のコンピューターとの再会は卒論であった。研究室の片隅に誰も使わなくなったQuadraがあったので、そいつをいじり始めたわけだが、以下に名機といえども、すでに明らかな型落ち品。いらいらさせられる遅さと頻発する爆弾マークなどから私はすっかりマックに不信感を抱くようになったのである。さらに当時のバイト先の塾では時々報告書を書く必要があったのだが、塾にあるのはポリタンクG3と初代iMac。不安定な動作と不快な円形マウスですっかりアップル製品が嫌いになった。

転機はありきたりながらiPodである。私は時折長距離ドライブをするのだが、CDをたくさんもっていくのは大変面倒なので、iPodは大層便利なものであった。また、当時はすでにMacOS Xの時代に入って長く、当時の私のメインマシンがVine LinuxUNIX系OSに対する親近感もあったので、ここに至って私とアップルは(一方的な)雪解けの時代に入ったのである。

しかし私は貧乏性であり、Macは割高と思い込んでしまい、決して自分の金でMacを購入しなかったのである。せいぜいできたことといえばパ○コン工房のノートPCの背面にiPodのおまけについてきたアップルマークのシールを貼り付けることぐらいであった。

結論としては、ぜひ話題のMacBook Airを欲しい、しかし金はない、ということで、
MacBook Air 11インチ欲しい!下さい!!お願いします!!!

バイ・ディジタルO−リングテスト富山セミナー及び第19回日本バイ・ディジタルO−リングテスト医学会開催の御案内

未知との遭遇

私の仕事のメールアドレスに以下のような「学会」の参加募集のメールが入っていた。

バイ・ディジタルO−リングテスト富山セミナー及び第19回日本バイ・ディジタルO−リングテスト医学会開催の御案内

  
******先生 
第19回医学会第二報 (http://bdort.net/19thigakukai(2nd).pdf
平成21年7月4日(土)〜5日(日)会場:東京大学山上会館 対象:日本BDORT協会会員(医師・歯科医師・獣医師・鍼灸師・薬剤師・看護師)  お早めの参加登録に御協力下さい。(参加申込書を早急にFAXして下さい。)

(中略)

富山県朝日町セミナー(http://bdort.net/2009julyseminar.pdf

開 催 日 :平成21年7月18日(土)〜20日(月・祝) 主 催 : 日本バイ・ディジタルO−リングテスト協会 共催 : 富山県朝日町 日 程:7月18日(土)司会進行:藤原 良太先生(朝日町総合病院統合診療部)13:00〜15:00「癌とアルツハイマーその他難病の短時間診断法と安全で効果的な治療法1」 「Mouth writing, Hand writing, Foot writingの診断及び治療効果判定の応用」「GliomaとAlzheimer’s Diseaseを理解する為の解剖・生理・病態」* 講師 大村 恵昭教授・出口 一樹先生* 会場 アゼリアホール会議室(富山県朝日町)* 対象 日本BDORT協会会員医師・歯科医師・獣医師・鍼灸師・薬剤師・看護師)* 会費 25,000円(日曜セミナーも含む)あさひショッピングセンターアスカアゼリアホール住所 : 富山県下新川郡 朝日町平柳 688 TEL: 0765-83-2000 (JR泊駅徒歩3分) 15:30〜17:30 「町民公開講座」 “癌のスクリーニング”他*講師 大村恵昭教授・小杉 宗弘先生*会場 アゼリアホール(富山県朝日町)(350名収容)*対象 一般町民、日本BDORT協会会員  ORT友の会会員7月19日(日) 9:00〜17:00「癌の局在診断 癌とアルツハイマーその他難病の短時間診断法と安全で効果的な治療法2」                               「Anti-aging, Anti-Cancer, Anti-Alzheimer のための正常テロメアを500ng以上に上げる方法」*講師 大村恵昭教授・下津浦 康裕先生                  *会場 あさひ総合病院(富山県朝日町)(200名収容) *対象 日本BDORT協会会員 「交流会」*会場  小川温泉元湯 ホテルおがわ      宿  舎 : 小川温泉元湯 ホテルおがわ  富山県下新川郡朝日町湯の瀬1番地  TEL 0765(84)8111   1泊2食  新館利用2名1室   16,950円       3名1室   14,850円   4名以上1室 13,800円

さて、バイ・ディジタルOリングテストとはNATROM氏が解説しているようにこっくりさんに良く似た診断法であるようだ。
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090204
マイナーなものだと思っていたのだが、知り合いのいきつけの腕の良い接骨院がこれを採用していて、その人は真に受けていたりするなどの話を聞いたので、意外と世間に広がっているのかもしれない。
というわけでそのような話題の新技術の学会のお誘いいただけるようになるとは、私も知らない間にあっち方面で名声を得ていたのだろうかと一瞬考えたが、どう考えても私はこの学会の参加資格に該当していないので、この「学会」が手当たり次第にこのスパムを送りつけているのは間違いあるまい。
このセミナーの講師の名前と講演タイトルを抜き出してみた。

  • 大村恵昭教授 "1.Important Role of Asbestos in Intractable Medical Problems Including Malignant Tumors, Cardiovascular Diseases, Alzheimer’s Disease, Autism, Cataracts, Intractable Pain, and Morgellon’s Disease (Which is Considered to Be a Medical Mystery) and How to Remove Asbestos and Other Harmful Substances From the Human Body Safely and Effectively by Elevating Normal Cell Telomere more than 500 ng (BDORT Units) 2.Mouthwriting, Handwriting and Footwriting: Important Quick & Safe Diagnosis Method and Evaluation of the Therapeutic Effect 3.Temporary Relief of Anti-Pain & Anti-Cancer Effect of Mechanical Stimulation of Anyone of 3 Front Tooth (1st Incisor, 2nd Incisor & Canine) of Right & Left Front Side of Upper & Lower Jaw and Their Possible Mechanism"(なげえー。テロメアを500ng以上にあげる方法、の500ngの後ろに(BDORT Units)と書いてあるのが香ばしい)
  • 大村恵昭教授、岐阜県西濃保健所長 出口一樹先生「癌とアルツハイマーその他難病の短時間診断法と安全で効果的な治療法1」 「Mouth writing, Hand writing, Foot writingの診断及び治療効果判定の応用」「GliomaとAlzheimer’s Diseaseを理解する為の解剖・生理・病態」
  • 東京メディカルスポーツ専門学校 妻木充法先生「バイデジタルO リングテストと円皮鍼の治療法」
  • 新神戸歯科 院長 藤井佳朗先生「Bi−Digital O−Ring Test を広く普及するために、特に咬合調整について(仮題)」
  • 大分岡病院 会長 岡宗由先生「異常経絡・経穴の正しい診断と治療-BDORT による五行の色体表について-(仮題)」
  • 大村恵昭教授、小杉 宗弘先生“癌のスクリーニング”他
  • 大村恵昭教授、下津浦 康裕先生「Anti-aging, Anti-Cancer, Anti-Alzheimer のための正常テロメアを500ng以上に上げる方法」
  • 朝日町総合病院統合診療部 藤原良太 (司会進行)

名士録

大村恵昭教授

大村恵昭『教授』はこの技術の創始者であるが、この人に教授をさせている大学はどこか、と調べてみた。
http://www.baobab.or.jp/~oring/omura.shtml

- ニューヨーク心臓病研究ファウンデーション研究所長
Director of Medical Research, Heart Disease Research Foundation, New York
- ニューヨーク州公認国際鍼・電気治療大学学長
President, International College of Acupuncture and Electro-Therapeutics, New York
- ニューヨーク医科大学社会および予防医学教授
Adjunct Prof. Dept. of Community and Preventive Medicine, New York Medical College, New York
- ウクライナ国立医科大学ノン・オーソドックス医学教授
Prof., Non-Orthodox Medicine Dept., Ukrainian State Medical University, Kiev, Ukraine
- 元マンハッタン大学電気工学科客員研究教授
Former Visiting Research Prof., Dept. of Electrical Engineering, Manhattan College, New York
- 元シカゴ医科大学薬理学客員教授
Former Adjunct Prof. of Pharmacology, Chicago Medical School
- 元昭和大学医学部生理学客員教授
Former Adjunct Prof. of Physiology, Showa University of Medicine, Tokyo, Japan

ニューヨーク心臓病研究ファウンデーション研究所というのは以下の人がちょっと調べた限りでは社交クラブのようなものに該当するようで、研究所としての実態は確認できなかったという。
http://listproc.ucdavis.edu/archives/law-lib/law-lib.log0706/0090.html

ニューヨーク州公認国際鍼・電気治療大学
http://www.icaet.org/
はThe University of the State of New York, State Education Departmentに恒久的認可を受けている、とあるけど、orgドメインだから普通の意味の大学ではあるまい。そもそもThe University of the State of New Yorkは所謂ニューヨーク州立大学ではなく、ニューヨーク州の教育認可団体なのだと。ウェブサイトで確認すると、この団体と大村氏は確かに鍼灸医養成プログラム認定単位に含まれているようだ。
http://www.op.nysed.gov/acupuncert.htm

ニューヨーク医科大学自体はまっとうな大学のようだが、社会および予防医学教授とか、大村氏の名前を確認することはできなかった。

ウクライナ国立医科大学という大学のウェブサイトを見つけることはできなかった。

まとめると、この大村氏の名乗っている教授職が通常の意味の大学の教授である確証を得ることはできなかった。

妻木充法先生

妻木充法というひとはなかなか有名なスポーツトレーナーのようだ。東京メディカルスポーツ専門学校の副校長で、学校のウェブサイトでもOリングを使っていることを紹介されている。
http://www.tokyo-medical.ac.jp/news/p98.html

藤井佳朗先生

藤井佳朗という人は自身のウェブサイト上で、噛み合わせを直すことで全身の難病を治すことができると主張している。
http://homepage1.nifty.com/kkmiya/UHL-ha/OMha-fujii-01.html

岡宗由先生

大分岡病院(結構大きい病院のようだ)会長の岡宗由という人はその病院内に分子共鳴研究所(!)というものを構えていた模様。

杉原淳先生

杉原淳という人は固体物性の研究をしていた人のようだ。
http://jglobal.jst.go.jp/detail.php?JGLOBAL_ID=200901041756375594&t=1&d=1&q=1000096247
それがどう代替医療と関わるのか、よくわからなかったのだが、講演タイトルのMinimal Catalystなるもので検索すると、いわゆる『水商売』のページが引っかかってきた。
コスモウォーターなる水差しのページによると、
「MICA(Minimal Catalyst(ミニマル カタリスト))加工
  水を極小の触媒にして製品を加工する最新技術です。 」
http://www.e-marutoshi.com/cosmo.html
とのこと。怪しい…。杉原氏は定年退職後に小遣い稼ぎで水商売に名を貸しているのだろうか…

小杉宗弘先生

小杉宗弘という人はコスギ歯科医院の院長である。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~kdoffice/
金属アレルギーをOリングテストで調べるんだそうな…。

下津浦康裕先生

下津浦康裕という人は下津浦内科医院の開業医である。
http://shimotsuura.at.infoseek.co.jp/
このページはすごい。Oリングテストについての情報が豊富である!『間接法』という方法では動物、植物、死体、組織などに対してもテストを行えるのだという。「正常組織や細菌の組織プレパラートを第三者が手に持ち、手に持っているプレパラートと病変部位が共鳴すれば、筋力低下して、第三者の指が開く」のだと。

藤原良太先生

藤原良太という人が働いている病院のページでは、
http://hos.town.asahi.toyama.jp/index.php?u=outpatient/kamoku/sogosinryo/sogo.html

「O-リング」は日本ではまだあまり広く知られてはいませんが、国公立病院では唯一『あさひ総合病院』に導入されました。

とのこと。公的機関がこっくりさんを導入しているのをどう考えるべきか。まあ明らかに病気ではない場合に、通常の金のかかる検査の代わりにOリングテストを行うことで医療費を削減できるかもしれないので、必ずしも悪いことではないかもしれない。

出口一樹先生

出口一樹という人は岐阜県西濃保健所長らしい。
http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s22703/
幸いにも保健所の通常業務の中にOリングテストは含まれていないようだ。

認定医試験も

認定医試験も同時に行っているそうだ。興味のある皆さん、まだ間に合うので参加してみてはいかがでしょうか?
http://bdort.net/2009julyseminar.pdf

筆記試験へ向けて
バイ・ディジタルO-リングテストの基本現象は、1993 年知的所有権として特許認可されまし
た。メカニズムとして大村恵昭先生による電磁波理論が紹介されています。ORT のやり方と
して指の選択法やグレーディング方法、共鳴現象を使った臓器、癌、経絡、経穴のイメージ
ング方法など多様です。近年は濃度が違うとORT 反応が変化する事から、濃度差サンプルの
使い方が紹介され癌の正しい診断法も高度になってまいりました。治療に於いても薬を異常
部へ取り込ませるdrug uptake 法など様々な方法が報告され臨床効果をあげています。ORT
は西洋医学的に応用が広がるばかりでなく、東洋医学で古来伝承されてきた経絡、経穴、募
穴、愈穴などの判断に於いても、各種臓器を使ってほぼ同じような現象が見出され、東洋医
学の素晴らしさがORT からも証明出来るようになりました。特に古典では未知の経絡、経穴
やその頭部とのつながりがORT で判断出来るようになり、更に舌、手、顔の臓器代表領域も
判断出来るため、ORT の有用性および臨床応用に広がりがみられるようになりました。ORT
での評価は、現代医学検査で科学的に検証されることが望ましいわけですが、電磁波病のよ
うに現代医学では証明の難しい病気や顎関節症・難治性歯痛に対しても光を投げかけていま
す。この方法はスタンダード医学で認知された方法ではないため、患者との間でインフォー
ムドコンセントが必要で、社会的にもORT 認定医としての自覚が求められています。

ホメオパシーと亜鉛

はてなダイアリー1日目からアレなタイトルですが…
数ヶ月前に風邪を引いたときに、知り合いがzinc gluconateが風邪を引いている期間を短縮させる効果がある、と薦めたので、CVS(どこにでもある薬局)に行って「Cold Eeze(http://www.coldeeze.com/)」を1箱購入した。「査読付論文誌で証明された」とか書いてあってなんかうざいなー。とか思いながらも、亜鉛だからそんなに体に毒ということもあるまい、と思い、しばらく(1週間くらい)この飴玉をなめていた。
風邪はそのうち治ったのだけれど、そんなに効いた気もせず、また、なめてからしばらくの間、まったく味覚がおかしくなってしまうので(何を食っても金属の味しかしない)、使う気がしなくなってしまった。
数ヶ月して箱を眺めていると、「有効成分:Zinc gluconate 効用:ホメオパシーのレメディ」と書いてあって、大いにずっこけたのであった…。アメリカではやっぱりホメオパシーは大人気なのだなあ、と思いました。日本では「風邪には亜鉛」というのは一般的ではなく(ネットで検索するとアレな健康食品販売サイトが多数ヒットする)、科学的に信頼できそうな人物からの助言だったので何も疑問に思わなかったのである。
さて、ホメオパシーというと歴史の長いトンデモとして有名なわけであるが、この亜鉛製剤には数点不思議なことがあるのだ。
1.査読付論文で証明された、との件
2.これは正当な「ホメオパシーのレメディ」といえるのか?

1.ホメオパシーの論文といったらベンベニストの(反証された)Natureの論文が有名だけれど、他にもあったのか?
Cold Eezeのサイトにはいくつかの論文の要旨が載っている。
どのようにして働くか?のページによると、「(風邪の原因の)ライノウイルスは負に、亜鉛イオンは正に荷電しているため、亜鉛イオンがウイルスに吸着して不活性化する」とのこと。このメカニズムは
Novick SG, Godfrey JC, Godfrey NJ, Wilder HR. How does zinc modify the common cold? Clinical observations and implications regarding mechanisms of action.Medical Hypotheses. 1996;46:295-302.
に記載されているという。
Medical Hypotheses誌って…。
短髪の人は禿げやすい
http://med-legend.com/mt/archives/2005/05/post_543.html
とか、
かかとのついた靴を履くと分裂病になる
http://med-legend.com/mt/archives/2005/04/index.html#000634
とかいった論文を掲載した雑誌ですな…。大手学術出版社のElsevierから発行されているが、
http://www.elsevier.com/wps/find/journaldescription.cws_home/623059/description#description
に書いてあるように、peer reviewをしないのが売りの雑誌である。つまりこのイオン化亜鉛によるウイルス不活性化メカニズムは通常の査読によって検証されたものではない。
もっとも亜鉛による風邪の重症化予防について査読ありの論文が複数あるのは事実である。PubMedで"Zinc Gluconate cold"と入れて検索したところ、55件の論文(そのうち総説6本)がヒットした。このうち少なくとも6件はCold EEZE鼻スプレーによる嗅覚消失(後述)に関する論文である。数点の論文の要旨を読んでみた限りでは、2重盲検法などによって有効性が示されているという。論文の数が少ないこと、それぞれの論文での被験者が数十人というのも(臨床研究としては)少ないような気がするが、私は専門家ではないのでこれ以上の判断はできそうにない。

2.ホメオパシーって「同様の症状をもたらすものを死ぬほど薄めて、その分子の情報を水に記憶させて、その水を砂糖玉にかける」ものではなかったのか?すくなくともこのCold EEZEは味覚がおかしくなるくらいの大量の亜鉛が含まれている(飴玉1個当たり13.3mg)ので、そういう従来のホメオパシーの定義からは外れるような気がするのだが…。もちろん私はホメオパシーの専門家ではないのでこのホメオパシーについての理解は間違えているのかもしれないが、例えばkikulogでは
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1241919950
sakei氏が「ホメオパシーでは必ずしも同一症状を引き起こす物質を薄める必要はない」と主張しているのに対して、お歴々は「それは俺流ホメオパシーであって、正当なものではない」とぶった切られている。
誰か詳しい人、私に教えてください。
さて、この亜鉛製剤はすごく味覚がおかしくなるほど亜鉛が入っているので、さすがに副作用が起こるのではないか、と調べたところ、まずCold EEZEのサイトでは「副作用は味覚障害であるが、すぐ治る」とあった。たしかに私の場合も数時間で治った。しかし、この会社は過去にCold EEZE鼻スプレーという商品を売っていて、これに伴って恒久的な嗅覚喪失を起こした、という健康被害が報告されており、これと関係してかこの会社はこの鼻スプレーの販売をわずか1年で打ち切っている。
http://www.adrugrecall.com/crestor/cold-eeze/index.html

同じサイトによると、ハーブやホメオパシーのレメディは通常の薬とは異なり、FDAの審査のルールが異なる(厳しくない)のだという。その一方で、これらの『薬』たちは通常の大衆薬(FDAによる厳しい審査の対象)と同じ棚に並んでいて、注意しないと(私がそうであったように)違いに気づくことはない。審査が厳しくないということは安全性についての調査も甘い、ということで、このような健康被害が生じる危険性をはらんでいる。なお、鼻スプレーの問題を受けてFDAは調査を行っているようである。
http://www.adrugrecall.com/cold-eeze/effects.html

これらのことから考えて、この亜鉛製剤は通常の意味でのホメオパシーのレメディではないが、FDAの審査を簡単にするためにこのジャンルで発売することにした、ということなのだろうか。

090617追記:FDAが同種商品に警告を出したとの情報。「忘却からの帰還」より(http://transact.seesaa.net/article/121705816.html?reload=2009-06-18T11:43:18)。

はじめに

今までmixiで月に1回弱日記(月記?)を書いてきましたが、はてなでの言論に興味があってこちらでも書き始めることとしました。果たして筆不精は治せるか?
なお2009/5/24以前のものはmixiからの転載です。

1通の手紙

(フィクションです)
 日本からやや古びた画集が送られてきた。19世紀末にファム・ファタルを多く描いたGMのものだ。AG誌別冊美術特集として1991年10月に発行されている。GMは所謂象徴主義を代表する画家であるが、この本が刊行された当時はそれほど注目されていなかったらしく、日本のGM収集家のHM氏は巻末の解説で、安くはないものの、印象派のように投機の対象にはなっておらず、37点の作品を入手することができた、と書いている。この画集をぱらぱらと眺めていると、なるほどHMコレクションというのが散見される。そのうちのひとつに有名なオルフェウスの首を持つ娘のための習作があり、同じページにA4のワープロ打ちの紙が挟まれていた。

                    • -

TI様

拝啓
 爽涼の候、益々ご健勝こととお喜び申し上げます。
 さて此の度、A新聞社よりシリーズとして刊行中のAG別冊美術特集西洋編GM特集号に小生のコレクションの一部が収録され、出版されましたので同封させていただきます。お目を通していただければ光栄です。
 一冊の本といたしましては、まことに廉価な為、カラー図版の色調に多少不満は残りますが(筆者注:日本で出版される他の廉価な画集同様、ややくすんだ色調である)、今までわが国において刊行されましたM関係の出版物としましては、その収録作品数においてはおそらく最大です(筆者注:76点)。また、既刊の作品集のほとんどはパリ、M美術館収蔵の未完成作品を中心としていたために、M芸術の真髄を十分に紹介しえなかったのではないかと思われますが、今回は多数の完成作品を収録していることも評価すべきでございましょう。M没後ほぼ1世紀を経た今日、これを機会により多くの人々に彼の作品が再認識され、愛されることと確信いたします。
 また今月17日に当コレクションのささやかな常設場所が横浜山手に落成したことを併せてご報告させていただきます。お近くにお運びのときは是非ともご光臨の栄を賜りたく存じます。尚誠に勝手ながら、小生ただいま海外居住につき、帰国する折々にご案内いたしたく、事前に日程をM画廊のNと御調整いただければ幸いです。
敬具
1991年9月24日
HM(筆者注:ここだけボールペンで自筆)

                                    • -

 言うまでもなく評価の定まった芸術家の作品を収集できる人物は資産家な筈であり、そのような人物がこのような私信を送る相手は名士の類であろう。実際TIという名はいかにも明治維新の元勲TIを髣髴とさせる。しかしなぜこのような私信が私の手元に届くに至ったのだろうか?このような個人的な所蔵物が私のような第3者に至る経緯を調べることとした。
 この画集は私の母が神田神保町の古本屋で400円で手に入れたものである。神保町は言うまでもなく日本最大級の古書街であり、様々な専門に分かれた古書店が存在し、これらの古書店は蔵書処分者の自宅に直接赴いて査定、下取りを行うという。中に挟まれた私信を確認することもなくこの廉価な本(定価1340円)が店頭に並んでいたことからして、TI氏には慌しく玉石混交の蔵書(そしておそらくその他の財産)を二束三文で売り払わざるを得ない経済的な事情があったのであろう。
 Web百科事典によるとTI氏はかの明治元勲の子孫に当たり、1957年に苗場のスキー場の経営を始め、1965年には湘南にホテルを建設、運営したという。このホテルの共同経営者はサーファーの先駆けである俳優YKとその父KUであり、TI氏はYKの母方の叔父であるという(つまり皆が知っているYKは明治元勲の子孫である)。しかし1970年には早くも経営が破綻し、23億の負債に対し、18億でホテルは売却(YKは残りを10年かけて返済したという)。しかし、TI氏の娘は後に婦人服ブランドを設立するなどしていることから、この破綻によってTI氏が没落したわけではなさそうだ。
 より怪しい某掲示板の情報によるとTI氏は1990年ころ、異母兄弟のTI氏(ややこしい)と共に詐欺事件を起こしたという。もしこの情報が正しいとすると、この画集の出版と同時期である。事件発覚後、被害の弁済のために家財を売り払ったのだろうか?
1枚の紙の由来をめぐって想像は尽きない(ただの出歯亀とも言う)。

追記
さらに検索を進めていくと、TI氏はクラシック音楽家のMM氏の家の隣に住んでおり、2008年の6月に死去したとのこと。ご冥福をお祈りする。MM氏のブログには著名人が多く登場することから、おそらくその交友に見合った地域に住んでいるのではないかと思われる(われながら不快な表現である)。それを考えるとTI氏は最後まで零落することはなかったのかもしれない。画集が売りに出されたのも単にTI氏の死後の財産整理に伴うものなのかもしれない。

巨匠たちはいかにぎりぎりのところで踏みとどまるのか〜Bill Evansと

Bill EvansKeith Jarrettというとそのお耽美な演奏でジャズをあまり聴かない人(含む私)にも人気なわけであります。もちろん美しい演奏は理論の裏づけがあるわけで、玄人の皆さんにも人気のピアニストですね。
ただ、あまりにもマジでお耽美演奏にはまりすぎると(某坂○○一)失笑を買う危険性があるわけで、その点このあたりの巨匠はボケ要素を導入することで失笑を買う可能性を回避しております。
例1 Keith JarrettGlenn Gouldみたいになにやら演奏時にうなっております。Gouldはなかなかの美声の持ち主でそのうなり声も悪くないのですが、翻ってJarrett氏の場合、サルのようなキーキー声でソロとユニゾンしており、ブランデーグラス片手にアルバムを聴くことを許さない異様な雰囲気をかもしております。

例2 Evans氏の場合はどうか?あまりEvans氏のアルバムを持っていませんが、私の知る限り妙な声でうなっている印象はありません。有名なPortrait in Jazz(図1)のジャケのようになかなかEvans先生は男前で、隙のないお耽美空間を形成しております。まったく困ったことに社長島耕作の絶賛を受けてしまっています(図2)。


ボケ要素が入ってないって?そうです、この時点では氏は大マジでお耽美をやっていたのでが、おそらく島耕作の絶賛を受けて自分のキャラというものを真剣に再検討したのではないかと思われます。

その結果、氏の新しいスタイルは最晩年に完成するに至ります(図3)。ほとんど浮浪者のようなスタイルのおっさんが耽美な演奏を行う、というこの倒錯。このライブの1月後に肝硬変で死去ということで、表層的に浮浪者然としたのではなく、おそらく全生活スタイルをノーフューチャーで統一したのは間違いないでしょう(ヤクをやるのに忙しくて髪を整えたりひげをそったりする暇がないといった感じか)。うなり声など演奏面に直接のボケ要素を導入していない分Evans氏のほうがJarrett氏よりも一段上のステージにいるのは間違いありますまい。

なお同系統の離れ業が聴けるアルバムとして、Gavin BryarsのJesus' Blood Never Failed Me Yetがあります。このCDでは浮浪者のおっさんのつぶやき歌がフルオーケストラをバックに70分以上ループされます。さらに後半から終わったおっさんの代表格、Tom Waitsもデュエットで参加するという駄目押しであります。涙なくして聴けぬ音楽であります(この作品をミックスしている際に、うっかりスタジオの扉をあけっばなしにしていたところ、通りがかった人が皆泣いていたという逸話がある)。