直島

先週末の3日間を利用して直島(香川県)に行ってきた。Naoshima standard 2を観るためである。
直島の島全体のアート化にはベネッセがかかわっている。私は進研ゼミは嫌いだが、このベネッセの取り組みには感服した。
naoshima standard2は島に散在する展示物からなるイベントであり、ネットでは数時間で全部廻れる、とあったが、実際のところ、丸2日をかけなければならないほどの盛りだくさんなものであった。島を歩き回って展示物を探し、それを街中で自然光の下鑑賞する、というのは通常の美術館での作品鑑賞とはまったく異なる方法であり、大変印象に残るものだった。そのため直島から出た後に倉敷の某有名美術館に行ったところ、展示物の素晴らしさにもかかわらず、作品が「殺されている」という印象を持ったほどである。
印象の強かったものについて述べる:
角屋:古い住宅の内部の薄暗い空間でディジタル数字のカウントダウン。
南寺:重厚な木造建築内部での迷路と完全暗黒。実は完全暗黒ではなく…。ジェームズ・タレル
ディヴィッド・シルヴィアン:iPod nanoに入った70分程度のアンビエント。直島の環境音を取り入れてあり、これを聴きながら歩くと空気が音楽に変化する。
地中美術館:かつて芸術は宗教の一部門として発達してきたわけだが、宗教の死につつある今、芸術そのものが宗教の代替物足りうるのではないか。と感じさせた。これを見に行くためだけでも直島に行く価値がある。タルコフスキーキューブリック的世界。
石橋:旧家内部に陳列された滝。土蔵の薄暗がりでみる巨大な滝の数々。
杉本博史「タイム・エクスポーズド」:隠しアイテム。